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「うぅ~何でボクがぁ~……。
魔王だよ!?殺されちゃうよ!?」
↑
ミオの勝手な想像である。
ボクは校外の森の中を歩いている。べつにサボってるわけではない。
校門を通ったのは、遠視魔法で確認済みらしい。
校内で見られた様子もなかったから、考えられるのはこの森、庭園、湖と裏山?ぐらいのものだ。
こんなに広くて見つかるかっつ~の!
こんなの魔法でもないと、とてもとても…
「って!そうか!ボク今魔法使えるんじゃん♪これなら楽勝でぇ…」
ボク…魔法下手くそだったんだ…。
↑バカ
「でも、基礎ぐらいなら扱えるぞぉ~。察知魔法!サーチリィ!」
察知魔法サーチリィとは!
相手の魔法力を察知して、誰が何処にいるのかを調べる基礎魔法である!
通常、相手の魔法力を感じて誰が誰だかを認識するまで達していないといけないのだけれど…ボクがそこまでできるわけない。
「だけど大丈夫!こんな時間にこんな所にいるやつなんているわけないもんね」
サーチリィを使うとボクから奇妙な波動が周りに発せられた。
…しかし、周りに誰かがいる感じはなかった。
範囲が狭かったのだろうか?
「ぅ~ん。森にはいないのかなぁ…」
ボクは森から離れて、次は湖でも捜そうかと道を戻ろうとした。
そのとき…
『きゃあああぁぁ~!!!』
「!!奥の方からかっ!」
声を聞いて振り返り、考える間もなく走りだした。
走るのでは遅い!箒(ほうき)を!
ボクは魔法空間にしまっていた箒を取り出して直ぐに跨り、勢いよく飛び上がった!
さっきのはタダの声じゃない。悲鳴だった!それも女の子の!
転校生も捜さないとだけど、
それよりもこっちの方が心配だ!
校内で箒は使用禁止というルールを無視して、ボクはスピードを上げた。
箒は得意な方だ。魔法力も必要だが、それ以上に運動神経とバランス力で何とかできる。
『ピギャアァァァァ!!!』
奇妙な声が聞こえる。魔法植物か!?まさか、それに襲われて!?
声が聞こえたところを森の上から確認する。
すると大きな花のようなものがユラユラと動いているのが見えた。
「そこか!!」
ボクは箒をとばした!
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