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「まぁまぁ、落ち着けミオ…。俺は魔法のヘタなおまえでも変わらず親友だと思ってる」
涼は、急にクールになってボクの肩を掴んできた。
涼の背景がキラキラと輝く。
なんだっ!このときめきは!
「…まだ、からかい足りないわけぇ?」
「からかってない…。共に魔法が下手な同士、切磋琢磨しながら友情を…《キラーン》深めていこうぜ。ミオ」
「……涼☆」
見つめ合うボクたち。
今、学園の校門近くまで来ているせいか、登校している生徒が多い。
何だろうなぁ~。道行く生徒がボクたちを冷たい視線を浴びせながらヒソヒソ話して通り過ぎて行ってるようなぁ~♪
「なぁ~にしてんのよ!あんた達わぁ~!!」
二人「へっ?…って、いやああぁぁぁ!!!」
少女が持っている杖を高くかざす。すると少し小さい雷雲がボクたちの真上に現れ、雷鳴とともにボクたちに落ちた。
「まったく。こんな朝っぱらから何肌寒いことやってんのよ」
ピンク色の背中にまで届く長い髪をなびかせながら焦げているボクたちに少女が近づく。
二人「へたしたら死ぬ(わっ!!)よっ!!」
焦げながらも元気に勢いよく言いつけた。
少女はケラケラ笑っている。
どうやら反省の色は全くないらしい。とはいえ期待してないが…。
「もちろんムチャクチャ手加減してあげたわぁ~。私、魔法コントロールには自信があるから♪」
「相変わらずだよね…リナは…」
ボクはため息つきながらリナを見る。
彼女は、天瀬 リナ
(あませ りな)
涼と同じくボクの旧友。ボクや涼と違って魔法の才能が高いようで、頭も良く成績優秀。
さっきみたいな、雷とか炎、氷なんかを扱うのが得意。
そういうの黒魔法…とかって言うんだっけ?
本当の魔法使いっぽい。本人も魔法使いっぽいからと、黒魔法を極めようとしているらしい。
「んでも、やっぱ珍しいよな。黒魔法なんて使えんの、この学園でも数人程って聞いたぜ?ほとんどの生徒は自分の趣味趣向を魔法に用いてるからな」
涼は髪を整えながら言う。雷を受けた時は二人ともアフロ状態だったからね。
「そうねぇ。でも何となく私に合ってる気がするのよねぇ」
荒々しいところとかだろうか…
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