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キーンコーンカーンコーン…
学園から音が鳴り響いている。校門近くにいるボクたちはハッとした。
「やべえ!校門が閉まるぞ!」
「うそっ!?あんたらバカ二人と関わってたからこんなことに!」
「ボクらが悪いみたいに言わないでよ!?」
ボクらは校門に走る。しかし、校門が閉められていくのが見える。
マズい!このままじゃ遅刻だ!
「ダメぇ~!間に合わないっ!」
ピンクの髪を揺らしながら、
リナは息を荒げて言った。
えぇ~い!仕方ない!
「二人とも、ボクに掴まって!」
「おうよっ!!」
走りながら涼が僕の肩を掴んだ。こういう時はボクのことを信頼して素直に聞いてくれるのが涼の良いところなんだよなぁ。
普段はいい加減だけど…
「えっ!?えっ!?どうすんのよっ!?」
「いくよっ!リナ!」
どうすれば分からずに困っているリナを自分に寄せて、ボクは魔力を脚に溜めて地面を強く蹴った。
その場で爆発するかのように、勢いよく校門へ向かう。
……閉まる門をギリギリでボクたちは通過した。
ちなみにこの学園の校門は魔法で勝手に閉まる。自動ドア
ならぬ自動門…みたいなものだ。
「…ふぅ~っ。ギリギリだった…。二人とも大丈夫?」
座り込んでいる二人に話かける。涼はすぐに、あっさりと立ち上がり口を開いた。
「大丈夫だ。相変わらず運動神経だけ!は高いよなぁ」
「だけは余計だよぉ!それに魔力も使ってたじゃないかぁ!」
涼は置いていけばよかったよ…
そんなことを言っていると、落ち着いたのか一息吐いてリナも立ち上がった。
「本当びっくりしたわよ。……いっ、いきなり抱き寄せてくるなんて…」
後半は小声だったため聞こえなかったが、何やら顔を赤らめてもじもじしている。
跳んだときにスカートが捲れたのを気にしたのかな?
死にたくないから本人には言うまい。
「ほれほれっ。ボサッとしてないでサッサと行こうぜ?HR
(ホームルーム)には間に合いてぇ」
「うん、行こうか。ほら行くよリナ」
「ちょ、ちょっとぉ、待ちなさいよぉ!」
…結局、遅くなったため、先生には軽くだが怒られる羽目になった…
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