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「ねぇねぇ、お姉ちゃんは名前なんていうの?」
ハヤタウンを出て数分。
目的地が同じ方向にある2人は、同じ道を歩いていた。
そんな中、冒頭のように少年が少女に話しかけた。
「あ、そういえばいってなかったね。
私は“クリス・p・リルトル”。貴方は?」
「僕はね、“チョコレート・ルネス”っていうんだ。チョコって呼ばれてたよ。」
「そっか。チョコ、これからよろしくね!」
「うん!こちらこそよろしくね。クリスちゃん!」
クリスと名乗った少女は、薄い栗色の髪を揺らして笑う少年、チョコと一緒に笑った。
そのすぐ後。
クリスは後ろから気配を感じた。人ではない、何か別の生き物のような…。
「…クリスちゃん?」
立ち止まるクリスを不思議に(そして少しの嫌な予感を)感じたチョコは恐る恐るクリスに問いかける。
クリスの目が鋭くなる。そして――。
人、が現れた。
人?…違う、あれは――、
人の形をした化物…。
目は濁っていて、足取りはおぼつかない。
まるで、何かにとりつかれているような、
「な、にコイツ…」
クリスは絶句した。
刹那――、
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