音のちから

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「サンダーボルト!」 チョコが叫んだ。 と、同時に目の前の化物が小さく光った。 クリスがそれに気付いた時には、既に化物は倒れていて。 「…え、?」 ――今の、チョコ? そう呟くと、チョコはうん、と短い言葉で肯定し、自分のポケットに右手を入れた。 そして右手を出し、掌を開き、言った。 「そうだよ。というかこの石のおかげ。僕が好きだった博士が、昔くれたんだぁ。」 チョコの右手には、半透明の黄色い石。鶏の卵より一回り小さいぐらいの大きさだ。 「す…凄いね、」 「…クリスちゃんは?」 「え、」 「クリスちゃんの武器は、なに。旅をしてるってことは、戦えるってことでしょ。」 じっ、とチョコはクリスを見つめる。 確かに最近、この世界では生物が突然変異して凶暴化したり、明らかに不自然な自然現象が発生したりと色々騒動が起きているので、今のチョコの言葉は一理あるのだが――。さっきまでと違うチョコの雰囲気に、クリスは戸惑いを隠せないでいた。 が、自分は質問(らしきもの)をされたという事を自覚すると、こう答えたのだった。 「私の武器は、声だよ」 その顔は自信に満ち溢れていたが、一方、声は若干震えていた。 .
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