はじまりはお葬式

6/11
前へ
/69ページ
次へ
あたしは、皆月菜緒(ミナヅキナオ)。 隣に住んでる幼なじみは、芹沢晋(セリザワシン)。 2人とも同じ県立高校の2年生。 歩いて5分のところに高校があるの。 あたしとシンは、小学校も中学校もずっと一緒だった。 ちなみに小学校も中学校も歩いて10分以内にあるけど、高校が1番近いのよね。 うちの県は、大都市の近県というやつで、このあたりは完全にベッドタウン。 建売住宅が並ぶこのあたりは、朝早くから遠距離通勤するサラリーマンの家庭が多い。 あたしの両親も、シンの両親も、 「高校に近い!将来はこの高校に入れよう!」と思ってここに引っ越してきたらしい。 でもほら、一応うちの高校、偏差値だって低くはないし。 どうして赤ちゃんのうちにそんなこと考えたのか、すこぶる疑問だ。 でも歩いて5分は魅力だし、県立だから学費も安いし。 なんとか合格することもできたし。 (あたしの方はかなり危なかったけど) ということで… あたしたちは無事に近くの県立高校に入学したのでありました。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15851人が本棚に入れています
本棚に追加