しのび寄る不安はそのままに

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「シンちゃんと結婚したら、もうお隣と敷地一緒にしちゃって、家建て替えて、3世帯住宅にしちゃう?」 「あああああーーーっもう、バカげてるっ!! 大人は何にもわかってないよっ!!」 あたしは、ママの能天気発言を聞いてるうちに、涙が出そうになった。 「だからあたしとシンはぜんっぜん、なんっにも、ないし。 シンはあたしなんか相手にしてないもん。 ママも知ってるでしょ?シンは学年トップの秀才クンだよ? バカな幼なじみなんか相手にしてないよ」 あたしの真剣さが伝わったのか、ママがニヤニヤをひっこめた。 「シンちゃんって…ウブなのかしら…」 ガクッ 「17の男掴まえて、ウブも何もないでしょーーーっ あたしに興味がないのっ 全然興味持たれてないのっ!!!」 ゼイゼイゼイ。 あたしはそれだけ言うと、なんだか血がサーッと降りて行くような感覚がして、座り込みそうになった。 あたし、血圧低いんだからね。 クラクラするよ…。
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