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真夜中、あたしは時計を見てる。
アンティークの置時計は、暗闇の中で月の光を反射して、時間を知らせる。
特別に硬くしつらえてもらったスプリングのベッドで、軽すぎて頼りないダウンキルトにくるまりながら。
壁際に置いた時計の針の動きを、ただじっと見詰めている。
短い針が2を、長い針が12を指す頃。
音もなく、ただ気配だけが、部屋にすべりこむ。
あたしは、少し身体を硬くして、ぎゅっと目を閉じる。
ゆっくりとあたしの後ろ側に横になる気配。
彼はいつものように、あたしを背中から包み込むように抱き締める。
左腕であたしを抱き締めたまま、左手の長い指が、髪をすく。
右手の指先がゆっくりと、あたしのナイトガウンの裾からすべりこみ、あたしの身体のラインをたどりだす。
熱を帯びた吐息が、あたしの内側の熱を呼び覚ます。
吐き気が…
する…
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