魔族の血(過去編)

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私は人間界で人を数えきれないぐらいに殺しました。 『今迄の悪行に反省し神にその身を委ねるなら貴方の行いに目をつむりましょう?』 何者かが私の心の中の懺悔を受け入れ神に私の身を委ねると言う… 「貴様の声は無償に腹立たしいものだな。神の遣いか?」 『私は神に遣える上級天使のアレクシエルです。神も貴方の行いに呆れられていますよ』 「神も見放す程の最強の魔族という事だな」 『いいえ…貴方は、自己中心でやりたい放題の哀れな悪魔ですよ?今迄天罰がくだらなかったから不思議なものです。』 「恐ろしくて誰も天罰を下せなかったんじゃないのか?」 『そうかもしれませんね。ですが、私は違いますよ?貴方を正しき道へと導きます。』 天使アレクシエルは、私に光を浴びさせた。あまりにも眩しい光とその美しさに私は目を奪われました。 「くっ…何だ?この温かくて優しい光は…心が癒される。」 『少しは心が洗練されたみたいですね?貴方は、少女の命を奪わなかった。それによって少しは救われますよ』 「何が言いたい?」 『貴方には、今迄の悪行の罰として聖職について貰います。それが今の貴方にとって最大の屈辱でしょうからね?』 「何だと?俺はまだ何も言ってないぞ!勝手に決めるな💢」 『素直ではありませんね?貴方の心からは疲れたと聞こえますが…』 天使アレクシエルの言葉は私を見抜いていたようだ。悪行に疲れ少女の命をあの時奪えなかった自分を振り返り洩らした言葉だったからだ。 「ああ…そうだよ。だから、この際何でもしてやるさ。神の言葉でも何でもな。」 『フフ…いいでしょう。その言葉忘れないで下さいね✨貴方は、教会の牧師になり悩める子羊を救って貰います。当然、悪魔払いの仕事も忘れずに…』 「悪魔払いって事は、聖水と十字架…を使うのか?」 『はい😁そして、神の言葉聖書を読んで貰います。貴方の今の姿は必要な時以外は封じます。代わりに新しい姿を与えますよ。』 「…不都合な力はいらないか。まぁ、戦えるだけましだろう。」 悪魔払いの仕事に関しては問題ないが、悩める子羊を救うのは難しい事だ。 『…光よ、彼の邪悪な心を封じ清らかな姿に変えて下さい』 天使アレクシエルと論争の末辿りついたのが…優男で華奢な姿をした自分だった。 メガネと髪を束ねるゴムで力を封印したらしい。 『如何です?光の洗礼を受けた自分の新しい姿は?似合ってますよ(笑)』 「悪趣味だ」
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