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貴方は知らない。彼の本当の姿を…
知ったら嫌いになる?それとも好きでいてくれるかしらね?
ミサを終え片付けをしていたラウル牧師に少女が近付き、彼の着ている服を引っ張った。
「どうかしましたか?」
「…教会に何か来る」「何が来るのでしょうね?」
少女の予言は見事的中した。
バタン‼
「ラウル牧師様いらっしゃいますか?」
「私がそのラウル牧師ですが、何かご用でしょうか?」
女性は、ラウル牧師を上から下までなめまわすように見た。
「失礼しました。私はプリムウェル聖女学園から派遣されて来たシスターレイアです。」
「ああ、神に遣えるシスターを育てる学校ですねまさか、この教会にシスターとして働きにいらしたのですか?」
天然なのか呑み込みが遅いのかレイアは、ラウル牧師を冷ややかな目でみた。
「ええ、そのまさかです。牧師だけでは不敏だろうと私がここに派遣されて来たのです」
「そうですか。いやぁ助かりますよ。一人では出来ない事もありますからね。」
「…ラウル牧師、貴方は悪魔払いとしての仕事を放棄なさってるみたいですね?」
確かにラウル牧師は、最近悪魔払いの依頼を受けていない。仕事さえもまともにしていないのだ。
「全ておみとおしなのですね💧」
「当然です💢何か理由があるならお聞きしますよ。」
理由…それは、この光の少女の事だ。
「神が、私に悟られたのです。この子を救いなさいとね。」
ラウル牧師は、少女の前で腰を低くして頭を撫でた。
「神が貴方にですか?それで神はこの少女の何を救うと悟られたのですか?」
レイアは、ラウル牧師をうさんくさく思っている。「…それが何なのか私にも分かりませんよ」レイアは、少女と同じ視線の高さになるように腰を低くした。そして少女の手に優しく触れ軽く目を閉じた。
「…痛っ!少女の感情が手から伝わってくる頭が割れそう。」
レイアは、少女を理解しようと手に触れたが、流れてくる少女の感情のビジョンに耐えきれず倒れそうになった。「無理をしてはいけませんよ。そう簡単に人の心は理解出来ませんからね」
「それは、この子が闇を抱えているからではないのですか?」
「だから、光へと導くのですよ。」
『怖い…苦しい、助けて!』
少女の闇が暴走をしはじめた。恐怖、怒り、悲しみ等によって闇は生まれる。
二人は、少女を救い光へと導けるのだろうか?
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