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「…ママ、パパ?どうしてこんな事に…」
父親と母親の遺体の前に座り込み泣く少女…私は、少女の背後に立ち魔剣を持ち斬ろうと思って構えたが躊躇した。
「絶対に許さない!私が貴方を見付けて殺してあげるから…」
殺気だった少女の憎しみの声…いつもは、こんな事など恐れずに迷わずに殺すのだが、この時だけはそれができなかった。
「殺したければいつでも来るがいい。ただし次会った時は容赦しないぞ?」
「…あんたなんかに負けるものですか!神様にお願いして強くなってやる!!」
冷たくも鋭い目をして少女に睨まれゾクっとなった。
「面白い。楽しみにしているぞ?お前の神頼みの成果がどれ程のものかみてみたいものだな。」
少女に言われた言葉が私の中の何かを変える残酷な殺人を楽しんでいる私には不思議な感じだった。
『人を殺さずに相手が成長するのを待つなど俺らしくもない…』
そう約束した少女が今どこにいるか、私には分からなかった。
ただ、いつか私に両親を殺した復讐をしにやってくるだろう…
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