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「規律!ただ今より、西浦高校、朝の集会を始めます。礼!」
西浦高校の校長が生徒の鼓膜をカチ割る勢いで、声を高らかにあげる。
クラブもあってご苦労様なのに、朝の集会なんかに振り回されて…西浦の生徒さんは、大変そうだよ。
朝の集会って言っても校長のなが―――――――――いお話を聞かされるだけなんだけど…。
そして、今私は、体育館の隅にたっている。一人だけ…。なんでかって?私、転校生だもん。
和歌山県に比べて、コッチはあんまり方言ないから、喋っただけで珍しがられそうだ…。
寝ている生徒さんをたたき起こす先生が、今私の瞳の中に映る。
生徒の健康を損ねちゃダメだって、先生。イヤほんとに。
だって、寝るのは疲れてるからだよ?授業中に寝られるよりマシじゃない?
「では、転校生に挨拶をしてもらいましょう。どうぞ。」
そういって、私の所まできた校長は、マイクを私に握らせ……………何がしたいねん!?と、ツッコミたいのを抑えて、体育館の中央に向かう。
さぁ、新しい人生の始まりだ。
「…倉山 真心です。以前は、和歌山県の桃中高校に居ました。よろしくお願いします。」
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