プロローグ

2/2
前へ
/53ページ
次へ
―どうせ、どうせ― ―私なんかに…― ―出来るわけないんだ― 体が、重い…。無性に水分が欲しいと、体が反応しているので、右側にあった、ペットボトルの水をグイッと飲み干す。 グイッ…ゴクッ…ッハァ。冷蔵庫に入れてないおかげで生ぬるい液体が中を通過していくのがわかる。 部屋にいけば、冷たい水なんて。いくらでもあるのに、体はその反応には答えない様子だ。 …フゥ…。 ベッドに横たわる。中学最後の年は、あっという間に終わり、卒業もしてしまった。 学校…受けたけど…いく気はなかった。じゃあ何がするの?と言われても答えようがない。だって、私がしても、どうせ…世界が変わる訳でもない、…誰が死ぬわけでもない。 人ははじめまして会う人にはつねにイイヒトとしての皮をかぶる。先生は無しだ。同学年でだ。ソレが無性に腹が立つ。 どうせ、私なんかをホントに大切にしてくれる人なんて居やしない。みんな皮をかぶってんだ。 だから、お母さんが「高校…変わったから。西浦高校っていう埼玉の学校に変わったから。後で引っ越しの用意をするのよ?!」って行ったとき凄く嫌だった。 (また皮をかぶんなきゃ…。) そう思うだけで、さっきより疲れた。 あ―入学式明日だぁ…。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加