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鈴村ユカ…
ユカは凄まじいくらいの目力でこっちを睨んでいた
「陽斗さん何でケンカなんてするんですか?」
「はっ?なんだよ?お前を助けてやった恩を忘れたのか?」
「それとこれとは別です!確かに、あの人達から絡まれて助けてもらったのは、陽斗さんですけど、暴力で人を黙らすのはどうなんですか?」
「暴力?おいおいっ冗談やめてくれよ、お前頭いってんじゃないか?オレは売られたケンカを買っただけだよ!」
そこに、洋介が入ってきた
「まぁまぁお二人とも落ち着いて下さい。あっユカちゃんだっけ?」
「はい…。」
「ここ寄ってかない?」
「でも…。ここ三人だけの場所なんじゃないですか?」
「いいじゃんいいじゃん。ねっ龍太郎」
「あっかわいいしいんじゃない?」
「えっ?」
「おい龍太郎までこんな女構うことねぇよ」
「こんな女って何なんですか?」
また口ゲンカが勃発した
「だからお前みたいな女だよ」
「はぁ?ふざけないでください」
「ふざけてねぇよ。オレは…」
しばらく言い合った後
口ゲンカにも疲れたのか、無言になってしまった
お調子者の洋介が呆れた顔で言う
「お二人共、口ゲンカは終わりましたか?」
二人ともそっぽを向いたまま、何も言わない
「あの…私、帰ります…。」
「ユカちゃんもう帰るの?」
洋介が寂しげに言う
「失礼します。」
「ったくあいつ何しに来たんだよ」
「まぁいいじゃん」
洋介が肩を叩く
陽斗は屋上の入口をじっと見つめていた
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