別れ

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…4年前… 陽斗は中学一年 小学校から上がってきたばかりのまだ顔が幼い陽斗は ごく普通の少年だった 母は専業主婦 父は町工場の小さな会社を経営していた 裕福ではなかったが、不自由なく生活できていた 「母さん行ってくる」 「いってらっしゃい」 いつも通りの朝 通学路は新緑の季節になり深い緑が生い茂っていた 学ランの下から汗が滲み、思わず上着を脱いだ 3ヶ月前まで桜が咲いて、慣れない制服を着てこの校門をくぐっていた 少し身長が伸び スラッとして、独特の存在感がある 学校に行くと新しく出来た友達、幼なじみの友達とも楽しくやっていた そうこの日までは…
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