93人が本棚に入れています
本棚に追加
藤堂平助
「暇だな~…」
俺が羅刹になってから一週間が経った。羅刹になってからは生活が大きく変化して、明るい内は寝て日が沈むと起き…なんていう人間とは逆な生活。まぁ慣れちまったけどな。その中でも一番楽しみな時間があったりする。
藤堂平助
「やっぱ夜桜は綺麗だな…」
俺の楽しみは夜の月に照らされて輝く桜を見ることだった。
今の俺には戦うことしかできないから…せめて心は優しくありたい…。人間でいたい…。
俺は縁側で桜をながめながらいつも通りボーっとしていると
雪村千鶴
「平助君…?」
そこには千鶴が居た。こんな時間にどうしたのだろうか?
藤堂平助
「よう、千鶴。こんな時間にどうした。まさか何かあったのか?」
俺は千鶴を見て首を傾げる。
千鶴は慌てながら首を横に振り言葉を続けた。
雪村千鶴
「ち、違うの!!ただ…眠れなくて…」
俯きながら俺と目を合わせようとしない千鶴。たぶん自分の責任で俺が怪我したって引っ張ってんだな…。
最初のコメントを投稿しよう!