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藤堂平助
「俺が化け物じゃない?何いってんだよ…千鶴も見ただろ?あの日の羅刹の隊士をさっ!!血に狂った化け物だって思っただろ?俺もそいつらと一緒なんだよっ!!俺もただの血に狂った化け物なんだよっ!!」
俺は今までにないくらいに必死だった。振り返って千鶴に向かって怒鳴った。自分じゃどうしようもできなかった…。
だが千鶴は横に首を降った。
雪村千鶴
「そんなことないよ…。確かにあの時の隊士の人達は怖かった…。人間じゃないって思った。だけど平助君は違うよ…。だってもし化け物だったらそんな感情的に自分の気持ち言えないよ…そんな悲しい顔…出来ないよ。」
千鶴は目に涙を浮かべながら俺と向き合って話してくれた。
こんな俺と……
藤堂平助
「俺さ…怖いんだ。日に日に狂ってく仲間を見て俺もああなっちゃうんだって思うと怖いんだ…。いつ発作であんな苦しい思いしなくちゃいけないのかなって…。どんどん化け物に近づいていく自分が怖い。まだ俺は…人間でいたい……」
俺は今まで溜まっていた弱い部分を気付いたら、うち明かしていた…。千鶴はそんな俺の話を黙って聞いてくれた。
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