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いつものように縁側で外を眺める日々。よく飽きないな…。
いつもと変わらないはずなのに何か違う。
あぁ…今日は空が綺麗だ…
雲一つない青空………。
雪村 千鶴
「沖田さん。お茶持ってきましたよ?」
ボーっと自分の影を見ていると僕の横に一つ小さな影が増えた。ふと横を見てみると、そこにはお茶を持って立っている千鶴ちゃんの姿があった。
いつもの心配そうな、焦っている顔をして。僕はこの子のそんな顔が可愛いと思うんだ…。
だからもっと困らせたくなる。
沖田 総司
「ありがと。そこ…置いといてくれる?」
一週間前…松本先生に"労咳"と知らされた日。自分でも薄々わかってはいた。きっと直らない病気って事は……だからどんな事も言われる覚悟はしてた…。でも実際言われて結構気持ちは落ち込んだのかもしれない。
それにそこには千鶴ちゃんも居合わせた。一番知らせたくなかった彼女に一番初めに見つかっちゃったのは予想外だった。
雪村 千鶴
「お体の方は大丈夫ですか…?」
彼女は最近とても僕の体に気を使うようになった。まぁ周りもそうなんだけど…。
沖田 総司
「うん。全然平気。
困るよな…ただの咳なのにさ…。土方さん達過保護すぎるよ」
雪村 千鶴
「きっと皆さん沖田さんの事が心配なんですよ」
お盆を抱えながら必死に僕を説得してる彼女を見ていると楽しい。少し落ち込んでいる気持ちが元気になってきそう。
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