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藤堂 平助
「おーい。総司!!暇してんなら話し相手になってやるよ」
向こうから平助が歩いてきた。きっと左之さん達が巡察にでも行って暇になったのだろう。
沖田 総司
「別に暇じゃないよ?僕は千鶴ちゃんと話してたし。」
藤堂 平助
「………。左之さん達巡察行っちまって暇なんだ」
そう言うと僕の隣に座る。やっぱり予想的中だった。
雪村 千鶴
「あ…平助君。少し待っててね。今お茶いれてくるから」
そう言うと立ち上がりパタパタと走っていってしまった。あんなに急いで転ばないのだろうか…。
藤堂 平助
「すっげぇ…。桜満開じゃん。最近こんなゆっくり桜見てねぇかんな~…」
沖田 総司
「そうだよね…なんなら僕と交換する?そしたら毎日飽きるくらい桜見られるよ?」
藤堂 平助
「やだよ。確かに桜見れるけどジッとしてんの嫌いだし。」
少し話していると千鶴ちゃんはすぐに帰ってきた。いつみても危なっかしいよね。あの子は。
雪村 千鶴
「平助君。おまたせ」
藤堂 平助
「サンキュー千鶴」
千鶴ちゃんは平助にお茶を渡すと僕の隣に座った。少しの間何も話さない時間が続き居てもたっても居られない平助が口を開く。
藤堂 平助
「花見したくね?最近、左之さんが花見花見って聞かなくてさ。」
花見か…。
沖田 総司
「楽しそうだね。やろうか今度みんなで」
僕は笑って答えた。でもきっと笑えてないよね。
今度…。死を宣告された僕に今度なんか無いかもしれないんだから。
そんな僕の表情を読み取った千鶴ちゃんは隣で僕を心配そうに見つめる。
そんな彼女の視線を感じた僕は相手を見て笑いかける。
すると彼女もぎこちなく笑った。
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