世界の悲しみ

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世界の悲しみ

僕はここで何をしてる どこで何をするつもりもないが 振動という自分の世界を作り上げて 5感を1つ殺した 僕の10%が死んだ そして大気の冷ややかな対応に 5感を1つ殺された 僕の心臓は動いていたけど ひらひらと舞い堕ちる結晶 穢れのない真白なカタチ 僕を包み込んで堕ちていく 雪空を見上げると幾億の結晶が 煌びやかに凛と音もなく堕ちてゆく 幾億の結晶たちの中 点々と肥大していく結晶 街灯に照らし出され暗い雪空を 静かに染め治していく その奇跡に包み込まれた僕は 結晶よりも小さく思う僕を想った 行き行く人々 同じ奇跡を目の前に 僕の眼を追う人は皆無 誰も知らない奇跡は僕のモノ 世界が結晶に侵蝕され僕は反転 音の無いセカイ 心の奥の藍色の闇に雪が降った 静かで寂寥としたセカイに 積もり積もった悲しみを押し潰すかのように
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