~はじまりの鐘~

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少年は鐘の音で目を覚ました その瞳は大陸の人間でも珍しい碧色 鐘の音色の先を見つめている だが少年の双方の碧眼は光を映すことない 「エヴァン!いつまで寝てんだ?今日は継承の日だぞ、早く行って手伝わねぇとまた長老に怒られちまう」 エヴァンと呼ばれた少年は寝ぼけ眼をこすりながら渋々と上半身だけを起こした 継承の日…この世界には大陸を治める王を敬意と尊重をもって神と呼ぶのだが、もちろん彼等も歳を取り王位(神座)を譲る、その日を継承する日と呼び、今日はその記念式典だ とりあえず聞き返した 「長老は今どこに?」 「礼拝堂だろ?東村の奴らも一緒だ」 彼の名前はトマス 村で一番仲の良い若者だ頭は良くないが運動神経はズバ抜けていて頼りになる 王都まではさすがに遠いため、近くの村々との合同礼拝堂にある映写鏡で式典を見ることが決まりだった もっとも、見れない自分には関係のないことなのだが… 長老は礼拝堂の入口にいた、お気に入りの杖を両手に持ち前傾姿勢で体重を預けている 「おぉ、エヴァン調度よかった中に入ってくれぃ」 どうやら機嫌は損ねていないようだ 「どぅも映写鏡の調子が良くなくてな…見てくれんか?」 大陸の人々は皆魔力を少なからず持っていた、それを生活に生かし生きて来た
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