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ヒュッ 茉奈が私を追い越して慶介の方へ向かう。 まだ下唇を噛んでいた。 「管ちゃ━━━━━ん!!」 慶介のすぐ後ろまで来ると茉奈が慶介を呼び止めた。 回りが見えなくなるのは嫌だったけど、慶介と話す為に仕方なくコンクリートの上に降りる。 「ひゅう。やっぱ淋野姉妹は凄いのな!朝から道がちげぇ」 「酷い-管ちゃん!!玲奈姉より私の方が凄いんだよら?」 「ははは、わり-わり-!!2人とも凄いからよくわかんね」 「もぅ!!」 茉奈はぷくっと頬っぺたを膨らます。慶介の前だと普通の14歳の女の子に戻る。 「あれ?そういやぁお前らどうした?制服そんなに汚して、それに晶は?」 その言葉に茉奈は動きを止めてしまう。 固まってしまった茉奈をちょっと横にずらして慶介に私から話をする。 「その説明もしたいし...ちょっとお願いすることもあるから駅まで慶介連れてってあげる」 「...」 ちょと黙って私と茉奈の顔をみた。そしてにかっと笑って、わかったと答えてくれた。慶介を背中におんぶする形になって連れていった。 ちなみに自転車は茉奈が持っている。 「何があった?」 「ンッ...」 いきなりめっちゃ耳の近くで言われたから変な声がでてしまった。 だから不意打ちは嫌いだ。 一瞬力が入らなくて困った。 「い、いきなりこんな近くで言わないでよ!!ビックリするじゃん。」 ちょっとぶすくれたように言ってやる。 『しかもなんか声低いし。』 「悪ぃな、別にそんなつもりじゃ...」 急に照れたように言ってくるから余計困る。 「あはは、わかってるよぉ」 「な、何だよもぉ。焦るだろ」 いつもの慶介の様子にちょっと安心する。
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