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駅についてから全部慶介に話した。
昨日の夜から今朝にかけてあったこと、晶やママやパパのこと。まだ私達は逃げている途中だということ
私達に関する情報の危険性。
だから絶対に誰にも言っちゃ駄目だということ。
茉奈は喋らなくなっちゃったから全部私が話した。
その間。慶介は私の事をきちんと見てくれていたが私は目を合わせられなかったから前髪を垂らしてちょっと斜め下を見ていた。
話が終わると慶介は茉奈の頭を優しく撫でた。
茉奈は堪えきれずに泣き出してしまった。
私もつられて泣いてしまった。
でも、慶介や茉奈に気づかれたくなかったから壁に寄っ掛かって下唇を噛んでさっきよりも入念に前髪を垂らし声を出さずにうつむいていた。
きっと慶介は気づいていた。
慶介は鈍くて只のバカだけど、変なところに鋭いから。
茉奈がトイレに行ってくるっと言って行ってしまった。
携帯を見る。
5:37 まだ全然大丈夫だ。
駅に人いない。
ベンチに座ってぼ-としていると誰かが隣に座って来た。見なくてもわかる。慶介だ。
「びっくりした?」
「何が?」
ほらね、やっぱり慶介だ。
ちらりと隣を見る。慶介が座って優しい目でこっちを見ていた。
「さっきの話だよ」
「うん、びっくりした。」
「あははだろうね」
まったく笑えない。あははと言ってみるけど、やっぱり笑えない。言葉にしてみるとやっぱり少しずつ実感が湧いてきてしまった。
心にぽっかり穴があいたようというのはこういう事か。
「大丈夫なのか?」
「う-ん。茉奈はやっぱりショックでかいみたい。ほら、あの子頭の回転も速いし、きっと実感わくのも速いんだよ。ごめんね、あんなに泣いちゃって茉奈まだk」
「茉奈じゃない。お前だよ、玲奈。」
「へ?私?な-に言ってんの、私が大丈夫じゃないわけないでしょ。あ、実感してないだけかも。私馬鹿だから。」
「...」
「なに黙ってんの。最後かもしれないのに気まずいじゃない。いいからあんたは茉奈の所にでm」
ギシッ フワッ
「な・何すんのよ!ま・またいきなり...」
慶介は玲奈に近寄って玲奈を抱き締めていた。
「ちょっちょっと慶介!!いい加減に!!」
「もうちょっとだけな?」
「ふぅっ...」
また耳元で喋るからへんな声出た。
「駄目か?」
「ン...駄目じゃぁ...ない」
「ならOK」
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