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私は座り込んでいる茉奈の頭を見ながら気になることを聞く。
「ま・茉奈。なんでそう思うの?」
茉奈はさらにうなだれながら話をしてくれた。
「玲奈姉、私ね。前にお父さんとお母さんが夜に話してるの聞いちゃったの。
その時お父さんは真剣な顔でマフィアがどうのこうのって言ってたの。
お母さんも冗談を聞いてる感じじゃなかったんだけど、また2人で本の話をしてるのかな?って思っただけで、そんなに気にしてなかった。...
あの時、もっとちゃんと聞いとけばよかった。」
本当に泣く寸前の妹にちょっとだけ、今がヤバい状況なのだとわかった。
「ねぇ、茉奈。その時パパはなんて言ってたの?」
しばらく黙るとまた茉奈は話だしてくれた。
「お父さんは
『俺は狙われてしまったかもしれない。多分家もバレた。いつか敵マフィアの連中が家に押し掛けてくるかもしれない。その時は逃げろ。誰か1人でも生きていたら支部本部に行け。そしたら、お前らの事は預かってくれるから』って。...ふぅっ...くっ...」
茉奈は泣き出してしまった。
私ちょっと冷静になってパパが言っていた言葉を頭の中で繰り返した。
もしパパの言っていた事が本当ならその支部本部に行けば助かるんじゃないか?
多分その支部本部というのはパパの後を3人で追跡した時にパパが仕事場と言っていた大きな城みたいな所だ。
そこへの道なら完璧に覚えている。
考えるのをやめてそっと茉奈の横にしゃがみ込み肩に手をおく。
「ねぇ、茉奈?」
とびっきり優しい声で話しかける。
「もしね、茉奈が聞いたパパの話が本当なら、私達はその敵マフィアって奴等に今日襲撃されたって事だよね。」
「ふぅっ.....多分っ...」
顔をなかなかあげてくれない。
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