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ふと先を見るとちょと電信柱の間隔が開いてきている。
『いけるかな?』
そんな事を考えていたら茉奈が2つ後ろの電信柱から叫んできた。でもよく聞こえない。
また携帯を見る。
7時までにこの街を出れば取り敢えずは何とかなる。
彼奴等の通っているであろう山道からは街が見えない仕組みになっている。
あのバカ高い山にはその道しかない。他は崖みたいな所だから彼奴等には無理だ。
街をこのペースで進むのなら5時半前には駅につくし、電車に乗らなくても私達なら車より速いスピードで移動できる。
茉奈はまだ何か叫んでいるから止まることにした。
ヒュッヒュッ タンッ
電信柱の上で止まる。
「なぁに?茉奈。まだ早いから声のボリューム気をつけて。」
ヒュッ カシャッ
「あ、そか、ごめん。」
茉奈は私が止まっている電信柱のすぐ横の屋根に止まった。
「...変な音したけど...瓦壊れてないよねぇ」
「あ-」
ちょっと足を上げて見てみる。
...まぁ、いいだろうと思ったのか茉奈は私の方を見る。
「あそこに管ちゃんがいるの!!」
「え...」
茉奈が指した方を見てみる。
ちょっと遠いが確かに管ちゃんだった。
管ちゃんは私達の親友である。
管ノ宮慶介(カンノミヤ ケイスケ)だ。
「管ちゃんこっち見てたよ?いいの?」
「...はぁ、駅まで連れてってやるか。ついでに口止めだな。彼奴等に言われたら困る。」
しゅんっとちょっと悲しそうな顔をして茉奈は言った。
「そぅ...だね。関係あるってわかったりしたらきっと管ちゃんも殺されちゃう。」
茉奈は下を向いてぐっと下唇を噛んだ。
また泣き出しそうだったからヤンキー座りをしていた私はすっと立ち。行くよと言った。
「あんまりぐだぐだしてると追い付かれる。」
「そぅ...だね」
ドンッ
慶介になら、炎を見られてもかまわない。もうバレてるから。これも含めて口止めをしなければ。
もしパパが教えてくれたことが全部将来マフィアになるためとかだったらこの炎もきっと関係ある。
慶介が知っているとなれば慶介の命が危なくなるはずだ。
それだけは絶対に阻止しなければ
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