5人が本棚に入れています
本棚に追加
‥‥静かな空間。
目を閉じて肩の力を抜き、ゆっくりと息を吸って吐く。
何も無いところで、少しの風が起きて前髪が揺れた。
空気を感じ取る。
そのことだけに今は集中する。
――――タタタタッ‥‥
何かが走って近寄ってくる。
音が聞こえたと同時に銃を一回転させて右手に握り、後方に飛んでくるりと宙返りしながら弾を放つ。
パンッ、パンッ!
「っ‥‥ぁ‥‥」
弾は黒い人型物体の右目と右眉を貫いた。その物体は右目を抑えながらそのまま襲い掛かる。
左右からも、来る。
「‥‥」
無言で着地したままの低い体制で銃を構える。
左右から来たそいつらはルイ目掛けて長い銀の棒を振る。恐らく剣であろう。
しかしルイはまた飛んで避け、物体たちはお互いの腕を切り落としあった。
ルイは着地した反動で地面を蹴り、前方から攻めてきていた物体の視界の下に斜めに入り込んだ。
ダンッ!!
そのまま右足を踏み込むと同時に、物体の顎に肘を入れる。
そして隙ができたところに素早く銃で喉を撃つ。
ベチャッ‥‥
返り血のような黒い液体が、ルイの頭からかかる。
喉を切られた黒い人型の物体は、そのまま一瞬で消えた。
『――――プログラム終了です』
機械の音声が響く。
最初のコメントを投稿しよう!