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ばしゃり、と水が大きく跳ねた。それもそのはず、それ相当のものが湖へと落ちたからだ。 重力に逆らえないまま、底へと沈みながら、うっすらと開いている瞳で水面方向を見る。 ――――月だ。 水で歪んでいるが、満月だとわかる。水の中へと届くほどのあの妖しい光。綺麗だから好きだが、今は眩しいだけだ。 ……何故、こうなった? なんで俺は、沈んでいる? いや、まずこんな事態になっているのは、俺がいるからだ。 俺が、 "死神の子"だからだ……  
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