翡翠の真実

１．

『SSが６時から８時まで使えるそうだが、どうする？』

SSとは、シミュレーションシステムの略称だ。CGでの訓練や強化ができるシステムで、ここの者はよく通っている。

「５時だ」

『稼動する時間は普段８時なんだぞ？それを早めてもらっての６時――――』

「５時だと言ったら決まりだ。30分で行く、ロビーで絶対待ってろ」

『あ、おい――――』

ピッ

電話を強制的に終了させ、机に軽く投げて置く。

今頃バズーはまたか、とでも呟いて頭を掻いてるのだろう。

まあ、あいつとは長い付き合いだ。俺が頑固な奴だとは知ってるはずだ。

シャワーは５分‥‥いや、３分で済ませよう。着替えて用意して銃の点検、このマンションから本社までは大体20分‥‥

「‥‥飛ばすか」

軽く息を吐いてそう呟き、タオルと着替えを持ってシャワールームへと向かった。