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ホテルを出て夜の街を歩く。冷たい風が頬を叩く。深夜だというのにかなりの人が歩いている。
人口爆発。今の日本は人間が『多すぎる』のだ。
ふらふらと歩く酔っ払い、柄の悪い男女、地面に寝そべるホームレス、怪しげな商品を売る露店。夜の街はそういった人々で溢れる。
「ねぇねぇあの人!」
「え!?ちょーカッコいい!!」
冬だというのに露出度の高い服に鮮やかな色の髪、いかにもな感じの女性が歩く翔眞を見つめる。
「…はぁ」
翔眞は溜め息をつくと、足早に歩き始めた。
柳前 翔眞(リュウゼン ショウマ)、21歳。都内の大学に通う学生だ。
有名難関大学を首席で合格し、常にそのトップの成績を維持してきたほどの優等生。
どんなスポーツも簡単にこなしてしまうほどの運動神経。
外を歩けばほとんどの女性、いや男性までもが振り向くほどの華を持った容姿。
彼は誰からも羨ましがられる存在だった。
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