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「みなさん!卒業おめでとうございます!」
中学の卒業式。これからこの学校から卒業する生徒100人の中に主人公はいた。
「あぁ…眠い…」
大きな欠伸をする男がいた。ツンツンの黒髪が特徴的だ。
この男の名は椿 葉一(つばき よういち)。ちなみに昨日は徹夜でゲームをしていた。
「葉一、眠そうだなぁ」
葉一の隣から小さい声がする。この話しかけてきた男は多義 柳矢(たぎ りゅうや)。
葉一の親友で頭がいいし、顔もいい。葉一とは違い少し茶色がかったストレートの髪だ。
「昨日はオールでゲームしたから…」
小さい声で葉一は返事を返す。そしてもう一発欠伸をする。
「あー暇だなぁ」
柳矢も欠伸をする。ここらへんは2人の似てるところだ。
「ドロンといきますか?」
葉一がドアの方を指差す。偶然にもドアの近くに2人は座っていた。
「ドロンて…。古いな。
いいね、どうやってここから出ようか……って葉一!?」
柳矢が言い終わる前にすでに葉一は走り出していた。
「出たもん勝ち!!」
一瞬でドアとの距離を詰め、ドアを開けようとする。
「うっわ馬鹿すぎる…」
柳矢は葉一を追い、飛び出そうとしたが、あるものが視界に移り、動きを制止した。
バリバリバリッ…
ボコッ
扉を開け、外に出ようとしていた葉一は頭にげんこつをくらった。
「てっ!」
いつの間にか葉一の隣にこの学校で一番怖い先生、『雷動の巨人』と呼ばれる先生が立っていた。
「相変わらずはえーな」
柳矢は雷動の動きは少しか目に写すことができなかった。
「お前は……馬鹿か!」
呆れた顔で雷動は葉一に尋ねる。
そんな雷動を前に葉一は喉をごくりと鳴らしていた。
そして身構える。
「今日は卒業式、つまりアンタとの戦いも最後になるわけだなァ…。
決着をつけ――」
「誰が『アンタ』だ!!!」
ドコッ
アンタ呼ばわりされた雷動はキレて葉一を再び殴り飛ばした。
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