卒業式は温度差が激しい

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最後のホームルームも無事終わり葉一は真っ先に帰ろうと正門へと向かった。 「おい!椿!」 葉一の後ろから呼ぶ声。この三年間聞くと鳥肌がたってしまうほどになったあの忌々しい声。 「この声は…雷動の巨人や!!」 ダッシュをしようとしたが気づけば頭を捕まれていた。 今の状況、説明するなら1人の生徒が1人の先生に頭鷲掴みにされて持ち上げられてる感じ。 「あのー、いてーんだけど…」 ブランブランの宙づり状態で話す。 そんな葉一の発言など聞こえてないかのように雷動は話し始める。 「お前は不安過ぎて仕方ない! これを持っていけ!」 そういって雷動が出したのは指輪だった。有りがちな普通のリングの指輪だ。 「これなに?」 どうみても普通の指輪だ。 (まさか魔法が簡単に使えるようになっちゃったり?) そんな葉一の期待とは裏腹に雷動は言った。 「そこに落ちてた」 「は? (いや、なんでだよ!そこに落ちてた指輪を不安な奴に持たせんのかよ巨人!!)」
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