プロローグ

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人魔大戦。 魔界歴2057年に始まった、魔人と人間の戦争である。 魔界歴2055年までは対立などしておらず、お互いに干渉もせずにいた。 情報や文化の行き来はあったものの、人そのものの行き来は全く無かった。 それは禁じられていたからだ。 よって対立することなどないという見解を持たれていた2つの種族だが、魔界歴2056年にその考えは崩壊する。 つまり2つの種族は対立し、一触即発状態になった。 こうなった原因は知られてはいない。噂によると一部の魔人達の間でことの発端となるある事件について調べられていた。 だが少数の魔人たちが集めたそのある事件についての情報は戦争が始まったと同時に凍結された。 魔界歴2057年、人間軍が人間界と魔界の境界である『ディメンション』に侵攻したことで人魔大戦は始まる。 魔人は体内に流れている魔力を消費し、魔法を使うのを戦闘の基本とする。 他には魔力を原動力とする兵器や武器などを使い人間と戦っていた。 人間は空気中に無限に存在する自然のエネルギーを使い、魔術を使う。 もちろん、魔人と同じく兵器や武器も使う。 魔法と魔術。 その違いは魔力か自然エネルギーかどうかという違いが唯一の大きな違いであり、その他は些細な違いでしかない。 以上の理由があり、戦争は長引いた。 しかし、均衡は徐々に徐々に崩れ始める。 魔力は有限。自然エネルギーは無限。 そこが決め手となり戦況が人間側に傾きだしたのが、2070年。 戦争が始まりから13年後だった。 それからじわじわと力の差が出始め、今、2078年。 人間の勝利は目前だった。 人間の勝利。それは魔人の滅亡を意味する。 その事を理解している魔人軍はただひたすら、全力で抗った。
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