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「……出来た」
机の上にカードの束を置くとどっと疲れが押し寄せる。
時計の針を見れば約一時間が経過、それは予想以上に時間を費やしていた。椅子の背もたれに体重を預けると俺はもう一度デッキの内容を確認する。
「……まぁこんな感じかねぇ。さて、そんじゃお披露目に行きますかねぇ」
作り上げたばかりのデッキを持てば俺は自分の部屋を後にする。
恐らく魔理沙はリビングの方にでも居るのだろう、紅魔館の中を歩きしばらくすればリビングに続く扉の前に着く。
「おーい、魔理沙ー出来たぞー」
「んあ?一足遅いぜ友、今フランと始めた所だ」
「あ、友だー!」
リビングに付けばそこに居たのは魔理沙、霊夢、フラン、咲夜さんの姿。
霊夢は茶菓子を貪り、魔理沙とフランはそれぞれ腕に機械の様な物を付け互いに距離を取っている。
「……それ何?」
「あぁ、これか?河童のにとりに作ってもらったデュエルディスクだぜ。アニメ通りに立体映像付きのな」
その言葉に河童スゲェ!としか言えない。どうやら今からフランと魔理沙の勝負らしく俺は霊夢の隣の席に腰を下ろす。
「あら、貴方も初心者?」
「いや、経験者。霊夢も始めるのか?」
「魔理沙に誘われて一応ね。けど今一判らないからこーやって見学よ」
「そうか……しかし喋る時は茶菓子食うの止めなさい」
俺の注意にダルそうな視線を向ければため息一つ付き霊夢は茶菓子を食べるのを止めた。
なんかイラッときたのは俺だけじゃ無いはず。
「よーし、霊夢!これがデュエルだ、しっかり見とけよ。準備はいいかフラン?」
「うん、いつでもいいよ」
始めはニコニコと笑っていたが次第に互いの表情が強ばると辺りに緊張した空気が走る。
そして、
『デュエル!』
互いが叫びデッキからカードを五枚引き勝負が始まった。
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