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「これは命令ですか。」
「うむ、功績を願っているよ。」
「…はっ。3小隊出撃します。」
急な話だった。
ケケ島奪還の任務の一部が回ってきた。
地下船舶補給施設の占領。
場合によっては破壊。
いや、いっそ、実戦における機動歩兵の運用試験のほうがしっくり来る。
工作部隊やら陸隊上陸部隊の仕事だ。
運搬は潜水艇が行う。
我々の強襲ののち、陸戦部隊が雪崩れ込む予定だ。
たった四機で活路を開け。ということらしい。
勝算は…薄いな。
作成時間に合わせて荷物の積み込みを行う。
潜水艇は姿を変えていた。
「どうだい?アンコウのこの変わりようは。マンタに恥じない姿だろう。」
新田の頬は緩みきっている。
強襲潜水艇“マンタ”
開発コードを新田が教えてくれた。
200ミリ砲二門、魚雷発射管四門、中距離潜対地ミサイル二門、20ミリ機関砲四門
「戦艦か?これは」
「潜水艇ですよ。潜水中は格納されます。潜水艦では無いので水圧は気にしないで大丈夫ですよ。」
わざわざうちの基地まで来たのはコレのためか。
「“荷物”乗せて下さい。出航準備は整ってます。」
ドッグは健在。こんどは発艦設備もついている。
さすが一台限りの高級船舶。
手は抜かない。
積み込みを完了し、船は静かに出航した。
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