開戦

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C.C.2011.0911 大和海は穏やかだった。 地球温暖化はこんな所にも影響しているのかと松原一特務准尉は感慨にふける。 今日は試作兵器の受領の為にここにいる。 この湾から潜水艇を使って4台の試作機を移動する。 輸送機が編隊を組むと左翼メディアがウルサいのだそうだ。 「准尉、用意が整いました。」 「ああ、では艦長殿に挨拶をせねばな」 沖で待つ潜水艇にボートで接触する 「ようこそ輸送船へ。艦長の新田大尉だ。」 「南部連隊御岳大隊試験中隊松原准尉であります。」 …大尉?いや胸にバッチを付けている。 特務大尉か…。 「極秘任務という事で私のような若輩者が艦長ですが、くつろいでいって下さい。」 年はあまり変わらないように見える。 いや、4~5歳は向こうが上か? 「今日は新型船舶の進水式でしたね。」 「イージス鑑を二艘浮かべます。今日は例の記念日なのでね。」 「…911、か懐かしい。」 静音小型使用の館内はむしろすっきりと広く作られていた。 「この船には武装も発鑑設備もありませんでね。さっさと基地に向かいましょう。」 見透かすように艦長がいう。 「お願いします。艦長殿。それと、ドッグには入れますか?」 「ああ、わかりました。おい、お連れしろ。」 「はっ。こちらです。」 さすがに潜水艇の通路は狭い。
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