開戦

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「こちらであります」 「ご苦労」 潜水艇特有の強固な扉を開く。 試験中隊第03小隊 我々が試験する試作兵器がこの 機動歩兵X-03“エッジ”だ。 その内の一機に乗り込む。 「燃料電池電圧よし、油圧装置よし、エンジン好調。テストプログラム開始」 テストプログラムは簡単な模擬戦闘プログラム。基地で何度もシュミレーターに乗っているので、ただ操縦桿の慣らしに過ぎない。 「ん、硬いな。それに少し遅い。」 いや、ただ単にAIが未開発なだけか。 帰ったらシュミレーターのAIデータを入れないとな… ファンファンと警報が鳴る。 計器に異常は無い。 「…外か?」 電源を落とさずスタンバイ状態で機体から離れる。 狭い連絡通路を走る。 「…どうしました?」 艦長は落ち着いている 「イージス鑑“黄昏”と“暁”、“曙”がミサイルを捉えたようです。今衛星が確認していますが。進水式に…」 「ゴタゴタは願ってもないこと。我々はより安全に航行出来ます。」 「はっはっは。違いない。全速前進!」 せめて南部連隊の地上基地まで行かなくては。 「ほーこーく、ミサイルはN。我が国の経済水域内にて暁、曙が排除しました。被爆被害は不明。」 「ほーこーく、北粟菜は1200をもって大和、粟菜に軍事侵攻を開始。」 何やらあわただしくなってきた。 「ケケ島を占領していた粟菜軍が北粟菜に合流。」 「今さら侵略戦争とは質が悪い。勝ち目が有ると思っているのか。」 「必死何でしょう。制裁はかれこれ5年目になります。万古や粟菜からの非合法な援助のみでは耐えられますまい。」 「ほーこーく、ミサイルは分裂に失敗。爆発が小規模だったため汚染は微小。」 ミサイルだけで海戦はなさそうだ。 まあイージス三艘と護衛艦がいれば問題ないだろう。
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