開戦

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粟菜国38度線を越えて北粟菜軍が侵攻する。 大和領ケケ島を不当占領していた粟菜軍のギニアス合衆国製兵器が北粟菜に奪われた、いや譲渡のほうが正しいのか…。 「旧式とはいえ本隊よりも高性能だろう。何よりあの兵器は侮れない。」 イーグルを冠する戦闘機、旧式の空母…正確な数は不明だがけして少なくはないだろう。 休憩室の大きな42インチ液晶がニュースを伝える 「我々大和国政府は今回の件に関し、自衛を前提とした平和維持活動以上の事はしない。ということです。」 「友好国である粟菜に援軍を派遣するつもりは無い。ということでしょうか。」 「総理、集団的自衛権を行使するのではなかったのですか、あれはギニアスとだけなのでしょうか」 「我が国としては北粟菜を国と認めず、粟菜を粟菜半島の政府、と認識しております。地域紛争、民族紛争に対して我々は防衛隊の派遣は行わないと…」 「最友邦国を見捨てるんですか、総理」 最友好国が不当占領するかよ。 メディアには馬鹿しか居ないのか? 「大和国としての防衛隊の派遣はしないとして、総理のコメントは終始しました。」 「臨時ニュースをお伝えします。国会議事堂前で車が爆発。多数の負傷者が出た模様。えっ、あ、はい。地下鉄秋葉線で爆発、地下鉄南部線で毒ガス…ちょっと本当ですか?あ、はい。現場のカメラ回します。」 そこには阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。
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