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そんな彼の姿に
土方はついに噴出して笑ってしまった
「笑わないでくださいよっ!!」
「わりぃわりぃ
からかいすぎたな」
右手で口を覆い
空いている左手でぽんぽんと
鉄之助の頭を撫でた
「ありがとな、市村
俺の傍にいてくれて」
「ま、俺ですからね
鬼の副長の世話なんてそんじょそこらの奴にはできません」
さっきまでの慌てふためいた姿は何処へ行ったのか
鉄之助はえらそうに胸を張って笑った
「本当に…有難う」
「副長?」
悔やむような
なんとも形容詞がたい土方の表情
そんな顔で彼は一度微笑んだかと思うと
ぎゅっと鉄之助を抱きしめた
「ふ、副長!?????」
「わりぃ…しばらく、こうさせてくれ」
普段弱さを見せない彼が
こうやって弱さを見せるのは
小姓である鉄之助の前だけだった
縋るように抱きついてくる彼に
鉄之助は何も言えず
ただ、困ったように笑いながら
先刻土方がしてくれたように
優しくその頭を撫でていた
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