第三十話

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第三十話

慶応三年 11月18日 悪夢のような日が始まった その日は 朝からあわただしかった 幹部隊士は一つの部屋に集められ その場には なぜか、御陵衛士に行ったはずの斎藤の姿までもあった 「な、何で斎藤さんが…」 誰もが思っただろう疑問を悠輝が口にすると 土方は 「斎藤には伊東の行動を見張るために間者としてもぐりこんでもらっていた」 不機嫌そうにそういいはなる もぐりこんでもらっていた 過去形の言葉 つまりはもう間者の役目は必要なくなったということで その言葉が意味するのは… 「つぶすんですね。御陵衛士を」 こほっと小さな咳をして 沖田は土方へとほぼ肯定した言い方で言葉を投げかける そんな沖田の言葉に 土方は黙って頷いた
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