第三十話

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その言葉にいち早く反応したのは 「ちょ、待てよ土方さん!!平助はどうすんだ!?」 誰よりも藤堂と仲がよかった 永倉だった 「…歯向かうなら殺せ」 ぎゅっと拳を握り締めて 土方は冷酷に言葉を言い放った 「作戦は、伊東を話し合いと証して酔わせ暗殺する その死体を油小路へと捨て、引取りに来た衛士どもを殺る」 以上だ そう言い放ってから 土方は立ち上がり 一度も彼らの顔を見ることなくその場を後にした 「んっだよ、裏切り者は殺すってか」 ドンッと 永倉は怒りにまかせ畳を拳で叩いた そんな彼の姿に 近藤は困ったように笑いながら 「歳も、本心では助けたいんだ わかってやってくれ 俺から…近藤勇から永倉、左之、悠輝に頼む どうか、平助を逃がしてやってくれ」 油小路へと向かう三人にそんな言葉を投げかける 希望にも似た近藤の言葉に 三人は大きく頷いた
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