571人が本棚に入れています
本棚に追加
/223ページ
第三十一話
それから、どれだけ経っただろうか
御陵衛士の残党に近藤が撃たれた
年が明け
後に鳥羽・伏見の戦いと呼ばれる戦が始まり
井上が死に、山崎が死に
多くの人が
傷つき死んでいった
沖田は病気が悪化し
離隊を余儀なくされた
「悠輝…本当に総司についていくのか?
「えぇ」
斎藤の問いに
悠輝は迷いもなく答える
「私は、ずっとあの方を支えて生きたいんです
だから、貴方の想いには答えられません」
きっぱりと言い放つ
すると斎藤は微笑し
「わかった…」
そう一言だけ言った
「好きになってくださって
有難うございました
それでは、またいつか…」
深々と頭を下げ
悠輝はその場を後にした
最初のコメントを投稿しよう!