第三十一話

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新撰組を離れた二人は 千駄ヶ谷の植木屋平五郎宅で 平穏な日々を送っていた かといって彼の病状がよくなったわけでなく 寧ろ、悪くなったといった方がいいのかもしれない 悠輝だって、何度も医者から離れるように言われたが その度に首を横に振った、 約束したから、ずっと傍にいると あの日…斉藤の手を振り払った時から 決めていたから 「おはようございます。総司さん」 「おはよう」 「今日はいいお天気ですよ ほら」 襖を開けて彼の方へと振り返った 外を見ると抜けるような青空が広がっている 総司は「そうだね」と優しく微笑みゆっくりと体を起こす 悠輝はすぐに彼のもとへと駆け寄りその体を支えた
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