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総司と共に新撰組を離れて早四ヶ月
二人は結婚し穏やかな日々を送っていた
結婚したといっても
二人だけでそう決めただけで
将来家系図に悠輝の名がのることはない
形だけの夫婦
それでも構わなかった
『今』幸せなら それで、いいと思った
「皆。今頃どうしてるんだろう」
「大丈夫、皆きっと元気にしていますよ」
だって、あの新撰組ですもん
総司の問いに、悠輝は何処か、自嘲のまじる微笑みを見せた。
それから、そっと彼の肩に羽織をかけてやる。
実際のところ
新撰組は、大丈夫などではなかった
近藤が斬首となった知らせがつい先日届いた
もうすぐ、新撰組は…旧幕府軍は負けてしまうだろう
でも、悠輝は決して総司にそれを伝えなかった
伝えてしまったら、彼が消えてしまいそうだから
「コホ…ゲホゲホゴホッ」
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