第三十一話

5/7
571人が本棚に入れています
本棚に追加
/223ページ
どこか、寂しそうな彼の表情に 嫌な予感がした。 「僕は…幸せだよ。 こんな、可愛いお嫁さんをもらえて…」 「総司さん?」 そっと頬に暖かい彼の手が触れる その手に、悠輝は自分の手を重ねた。 「有難う。悠輝… 辛かったよね、こんな、いつ死ぬかわからない僕の傍にいて… でも、傍にいてくれて。有難う」 「何、言ってるんですか まるで、最後みたいな…」 いやだ、そんなこといわないで 私は、まだ貴方と生きていたい それに、言えてないことだってまだあるのに 「好きだ。愛してる あぁ…少し眠たい…な」 ゆっくりと、彼の目が閉じられ
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!