第三十ニ話

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「み、みんな…」 もういないはずの皆の声が聞こえた気がした たまらず涙が溢れ出す 握り締めていた小太刀を地に落として 私は舞い散る桜の花を抱きしめた 「やっと、見つけた…悠姫…」 ふわりと 後ろから包まれるように抱きしめられる ゆっくりと視線を向けると そこには あの頃から少し大人びた烈の姿があった 「烈?…どうして…」 彼が藤堂を殺してから 一度も会わなかったのに 何故今頃、こんな時に… 「沖田に、頼まれたんだ」 「総司さんに?」 体を離し 烈へと向き直る 烈は困ったように笑いながら頷き 今まであったことを話してくれた
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