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「…おい小僧、政宗様に憧れるのは構わないが、政宗様の名を語るのは許さねぇぞ」
「何だと!?わしの言葉が聞こえなかったか!?わしは伊達政……」
「もう一度その名を口にしたら、本気で斬る」
男は俺の迫力に一瞬たじろいだが、すぐに体勢を整えた。
「無礼な…!貴様、名を名乗らぬか!」
「俺は伊達政宗様の右目、片倉小十郎だ」
「…片倉、小十…郎…?」
男は瞳をパチクリさせたが、キッと睨みを強めた。
「馬鹿め、くだらない戯言を!小十郎は貴様の様な人相悪い男ではないわ!」
「ば……!」
何故初対面の正体不明の男に、馬鹿とか人相悪いとか言われなくちゃいけないんだ。
「貴様こそ、小十郎の名を語りおって…!この政宗が成敗してくれるわ!」
「……言ったな?どうやら地獄が見たいようだ」
じりじりと牽制して、見つめ合う。
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