雨の章

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  「こうなりゃヤケだ!!聞こえれば帰れるんだ!!やってやろうじゃないか!!」     外に立ち、雨に打たれる。   傘もささずに、おかしいと思われるだろう。まぁ夜中だから大丈夫なのだが。   …雨音は今まで聞いてきた雨音と何ら変わりのない、普通の雨音だ。   「………。」   こんなんでわかるのか? いや、それより部屋に戻ることを考えなきゃ。 あの人、意地でも入れてくれなさそうだし…。     ザッーーーー。   「……。」ダメだ。   声なんて聞こえない。 雨音なんて皆、同じだ。   馬鹿げてるだろ、こんなこと。 
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