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梨花と別れて1人家路を歩く。
いつものように緩い上り坂を登れば、見慣れた我が家が見えてくる。
玄関まで来て鞄の中から家の鍵を探していれば、ガタリと確かに家の中から物音がした。
「……」
…なんで?
誰もいないはずなのに聞こえた物音に眉をひそめた。
まさか…泥棒?
緊張で早鐘を打つ心臓に手を添えながらも、ドアのぶを握りゆっくりと回す。
ガチャリ、
いつもより控えめな音を立てて、玄関のドアが開いた。
そっとドアを開いていけば露になる玄関。
「……ん?」
そこで、ふとあることに気付いた。
「……この靴…」
どこか見覚えのある泥まみれのボロいスニーカー。
恐る恐る家の中へ入り、その靴をまじまじと見てみた。
普段置いてあるはずのない靴。それが今ここにあって…鍵をかけたはずのドアが開いていて……
「……まさか…」
冷静に考えて思いあたる節はひとつしかない。
慌てて靴を脱いで早足に廊下をずんずん進む。
まさか…まさか…!!
リビングのドアを勢いよく開けた。
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