その1.僕を選んでくれてありがとう。

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テツがいなくなって、毎晩泣く日々が続いた。 もう犬は飼わない。 こんなに悲しい思いをするなら、こんなに痛い思いをさせてしまうのなら、と。 幼いながらもそう誓ったアタシは、変わらず犬好きだがそれから犬を家族へ迎えることはなかった。 そして今日。 久しぶりに夢に出たテツの姿。 アタシに何か伝えたいことでもあったのかな…。 なんて、 少し漫画みたいな事を考えながらも、梨花と喋りながら帰宅すればそんなことなどすっかり忘れてしまっていた。 今思えば、これから始まることをアタシに伝えようとしたテツからのメッセージだったのかもしれない。
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