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今日は土曜日。 まだ空が暗いこんな時間から仕事に出るなんて。 田舎暮らしが嫌でなんの当てもなく、高卒で上京して三年目。 だが、この生活には一向に慣れる気がしない。 風俗店、娯楽施設、飲食店。 夜に刃向かう様にきらめいている。 この街は、静まる事を知らないのか。 まぁ、そのおかげで美容整形外科なんて仕事が儲かるのだが。 しかも、24時間営業年中無休。 簡単な手術なら30分もあれば終わってしまう。 受付のバイトでさえ、水曜日曜の休みを貰って、月20万を越えるんだから、良いバイトに巡り会えたものだ。 街外れの病院に着き、白衣に着替え受付へ向かう。 「お疲れ様ぁ。」 「お疲れ様です。」 「今日は混んでるわよ。まぁ、週末だからねぇ。」 確かにロビーは、ケバいおばさんやら風俗嬢、ホスト風の男などが座っている。 「朝何時だと思ってるんですかね。」 恭子さんは微笑みながら答える。 「今日終わったら、休みじゃないの。また、彼女と映画でしょう?」 「だから、彼女じゃないですって。」 「おばさんうらやましいわぁ。じゃあ、あとよろしくねぇ、元ちゃん。」 「了解です。」 確かに、今日が終われば休みだし、映画も見れる。 あれっ、今日の映画は『バニラスカイ』か。 惠ちゃんと18時に駅前のファッキンだっけ。
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